Follow

メイドインアビス考(ネタバレ) 

劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』において興味深いのは、ボンドルドの人でなしな所業の数々を明確に否定しているのはレグだけということ。
リコもナナチも、それぞれ大切なものを失った(正確には《加工》された)にも関わらず、根底ではアビスの深淵を見たいという欲求でボンドルドとは共通したものがある。

だからリコは「ロマンはわかる」と言ってしまうし、ナナチも最後にボンドルドを赦す。

テレビシリーズから渦巻いている作り手の悪意、裏を返せば「憧れ」の濃度ももここに極まれりというところか。

ボンドルドの最期「あふれんばかりの呪いと祝福を」という言葉が、この作品の世界観を如実に語っていると言えるだろう。

混迷する2020年の幕開けにふさわしい、劇場用アニメーション作品だった。

追記
原作をかなり忠実に再現しているのだが、一つだけ尺の都合かレーティングの都合かカットされているエピソードがある。ぜひ原作のマンガも読んでいただきたい。

Sign in to participate in the conversation
ミニ四駆DON

ミニ四駆好きが集まる雑談中心のインスタンスです