総括 「機動戦士ガンダム 水星の魔女」
【富野由悠季が打ち立てた「勧善懲悪の否定」の更に一歩先を行った人間ドラマ】
これはもう、ペトラとフェルシーが凄く良いキャラをしていた。水星の魔女を面白くした隠れMVPだと思う。
最初は如何にも使い捨てで終わりそうな学園ドラマの悪役だったキャラ達が、テロに巻き込まれていく中で主役サイドにも寄り添っていったわけなんですが、彼女達が改心したとか、使命感に目覚めたとか、ホントは良い子達とか、そういうことではないってところがポイントだと感じた。
ペトラがスレッタを助けたのも、フェルシーがMSに乗って学園を守ろうとしたのも、人が人として本来持っている善意みたいなもので、しかしながら、そのひとかけらの善意と勇気がグエルとラウダを救ったと考えると、よくやったどころの騒ぎではない。
総括 「機動戦士ガンダム 水星の魔女」
【課題を残しながらも希望と共に幕引きするいつものガンダムらしいラスト】
スレッタとミオリネ(とグエルとラウダ)の「家族の話」には概ね決着がついたが、ミオリネの決断により地球に売却された資産は結局宇宙に買い戻され、シャディクの理想は実現しなかった。アド・ステラの世界が抱える根本的な課題は何も解決していない(実にガンダム)。
それでもアスティカシアが復興し、「モビルスーツに乗るよりも勉強がしたい」と発言したセドが学校に通えている後日談を見ると、10代向けと称して当初の企画から後付けで導入された「学園モノ」の要素がガンダム世界における未来への希望の象徴として昇華されたことは「上手く着地させたなぁ!」という印象。ガンダムの主人公、学校ブッ壊されて復学できない子が多いから…。
総括 「機動戦士ガンダム 水星の魔女」
@Bernie_Nihei どうせなら、が抜けてますよ