私はもともと音楽が好きで音楽ばかりやっていました。当然音楽で飯を食えたらいいなと夢見ていたのですが、結婚と長子の誕生を機に妻子を養うためにも不安定な音楽で飯を食うのは夢と諦めて、音楽はあくまで趣味と割り切り、普通のサラリーマンとなる覚悟をしました。
ところが、色んな縁もありまして、気づけば自分の曲がカラオケに入ったり、歌手に歌われてオリコンに入ったり、プロと一緒にステージに立ったり、と、気づけば夢がいくつも叶っていました。今は憧れのステージをもつ会社に転職し、手の届かない存在だと思っていた若き日の音楽ヒーローのリハの音を聞きながら賄い飯を食い、そのヒーローと談笑しています。まるで若い頃描いた夢の生活です。不思議なものです。
若いときはどうしても見識が狭く、自身の見るべき夢を誰にでもわかりやすい成功譚として設定してしまいがちですね。それは悪いことではないですが、そのストーリーから外れたからといって、悪いことばかりじゃないですよね。
子供の遊びに付き合うつもりで二十云年ぶりに手を出したが最後、翌日には提灯ぶら下げてみたり3Dプリンタ用に部品をモデリングし始めたり…。